陽が沈んむころ、辺りが真っ赤にそまる時間がある。夜になりかけても、昼間の熱気が残っているような時間。夕陽を見ると、光の筋がいやにはっきりと見えた。
アスファルトからの熱気とじめじめとした風から、夏の匂いが運ばれてくる。太陽からは強い日差しがお届く。ご挨拶ありがとう。ああ、今年もまた夏が来た。そう思う。季節の移り変わりを受け入れよう。
いつぞや来て閉まっていて、泣く泣く引き返した道。そんな道の扉が開いていると、今まで探索できなかった領域へ踏み入れるようで心躍るのだ。
もう夏が来る。空を見上げれば夏が来る。夏の青い空。遠い空。
雲が波のように向かってくる。
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