Route #3: 国道439号
国道439号, 徳島県/高知県 / Route 439, Tokushima / Kouchi
国道439号、通称「ヨサク」は四国を中央を縦断する国道であるが、
道路が狭いことや、舗装の酷さから「酷道」として名高い。
一部は多くの車が走る2車線道路ではあるが、大部分は車のすれ違いにも気を遣う
1車線道路で、深い森の中を走る道だ。
自分はこういった道路が好きなのだ。
バイクなら道路の狭さも気にならないし、人気も少ないのでひたすら走りに没頭することができる。
また、大体こういった酷道は森の中を走るので、緑が気持ち良い。
酷道と言えば、狭い道、未舗装、ダム、クマ出没注意の看板などが特徴に挙げられるが、
この439号も御多分に漏れず、上記全てに恵まれている。
都会の喧騒から抜け出して、ひと時の冒険を楽しめるのだ。
酷道、もとい、国道439号は徳島県徳島市を起点として、高知県四万十市まで
四国の山の中を横断する。徳島市の中では剣山までは国道438号と重複区間なので、
この単独区間としては下の地図のようになる。
始点が既に人里離れた山の中という素晴らしさ。
剣山付近の438号・439号重複区間は土砂崩れで閉鎖。
この439号単独区間の始点を、この旅の始点とする。
道も狭いというのに、土砂崩れ…上写真中央部に土砂が流れた跡がある。
美馬市は2007年に合併して誕生したそうで、看板が新しく、
他の手入れのされていない看板と比べて目立っていた。
439号沿いには奥祖谷の二重かずら橋がある。
道路だけでない。人の住処、文化、そして自然、全てに雰囲気がある。
まさに、ここは、秘境の地。
基本的に道の舗装状態は良くない。
剥げているところが多いし、剥げたところから草が生えていることもある。
道路の中央にはセンターラインの代わりに、苔がラインを描いている。
通称、緑のセンターラインと呼ぶそうだ。
徳島県と高知県の県境、京柱峠。
この日は既に夕日が差しており、峠の料理屋も閉まっていた。
峠に差し掛かる辺りから既に対向車にも合わなくなり、静かな時間を過ごす。
悠久の時を過ごすよう。
誰も自分を邪魔しない。
道路情報。439号だけでなく、至る区間で崩落情報や、閉鎖情報が記されている。
この界隈の道路はどこも脆いのだ。
京柱峠から見渡す限り、山。
右手は徳島県の山、山、山、左手は高知県の山、山、山、
確かではないがそんな感じだろうか。
夕日によって赤く染まる姿を見れて、惚れ惚れしていたが、
日が沈む前に早く先に進まなければという気持ちが背中を押す。
そう、先はまだ長いのだ。